偽りの記憶

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「偽りの記憶」という言葉を知っていますか?
これは、実際には経験していない出来事を誤って想起する(思い出す)という現象です。
偽りの記憶は「嘘」とは違います。
偽りの記憶を語るとき、人はそれが実際にあった出来事だと思っているからです。

そんなことが本当に起きるのか?という方に。
日本心理学会が公開しているサイトに、誰でも偽りの記憶(「虚記憶」)を体験できる簡単なテストがあります。ほんの1分で体験できます。まずは自分の記憶が「本物」なのか確かめてみてはいかがでしょうか。
心理学ミュージアム『虚記憶』

偽りの記憶は、「虚記憶」「虚偽記憶」「錯誤記憶」などとも訳される心理学用語であり、1990年代中頃からアメリカを中心に研究が進められている比較的新しい心理学の研究テーマです。「False Memory」とインターネットで検索すればたくさんの関連記事が見つかるはずです。先ほどのサイトで紹介されているテストも、心理学者が研究のために偽りの記憶を簡単に発生させる手法としてよく用いるものです。

偽りの記憶がなぜ生じるのか、その正確なメカニズムを私達が知るにはもう少し研究が進むのを待つ必要がありそうです。しかし、偽りの記憶という現象が確かに存在することを裏付ける研究結果は以前から多数報告されています。
1つのエピソードとして、ナイサーの研究報告があります(Neisser & Harsh 1992)。

1986年1月28日朝、スペースシャトル・チャレンジャー号が爆発事故を起こします。ナイサーは事故の翌日、彼の心理学の授業を受けていた1年生の学生数十名に質問票を配り、爆発事故のニュースをどこで聞いたか、その時どこにいたのかを記録させました。3年が過ぎた頃、ナイサーは4年生になった学生達に再びその質問をしてみました。すると、ある学生は、実際には大学で事故のニュースを聞いていたはずなのに、3年後には「自宅で家族と一緒にニュースを聞いた」と回答しました。同じ様に3年後に事実と異なる「記憶」を語る学生は複数確認されました。更に注目すべきことは、3年前自分が書いた質問票を見せられてもなお、自分の今の「記憶」が正しいと譲らない学生がいたことです。

ナイサーの研究結果は、私たちが特に外から特別な影響を受けなくても、人の記憶が時の経過と共に変容し、偽りの記憶が発生することを明らかにしています。

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