一審判決(抄)

第五 証拠物の発見とその押収手続

 

一 関係証拠によると,平成11年5月30日と同月31日に行われた「マミー」の捜索の際,厨房奥に備えられた3段式黒色カラーボックスの中段から,蓋に黒点が記入され,白色錠剤入りの「つかれず」の容器と,白色錠剤入りの「ボンエナCa]の容器が,同カラーボックスの下段から,白色錠剤入りの「つかれず」の容器と,白色錠剤入りの「アニマリンL」の容器が,同店内の4段式白色カラーボックスの上から3段目から,新ルルA錠の空の容器3個,開封前の新品の新ルルA錠2瓶,シート状のプレコール持続性錠入りのプラスチック製薬箱,シート状のプレコール持続性錠入りの箱2箱が発見され,また,同月31日,武の使用していた自動車であるマジェスタを捜索したところ,コンソールボックス内から白色錠剤30錠入りの「つかれず」の容器1個が発見されたことがそれぞれ認められる。

二 弁護人は,「マミー」店内やマジェスタの車内に上記薬物は存在せず,これらは捜査機関による証拠の作出ないしはすり替えの疑いがあると主張する。

しかしながら,関係証拠,殊に「マミー」やマジェスタの捜索に当たった磯貝俊介や中山昭及び武の当公判廷における証言等に照らすと,これらの場所の捜索は,裁判所から捜査差押令状の発布を得た上,武又は代わる地方公務員(「マミー」においては本庄消防署所属の消防士佐藤邦寛,マジェスタについては同消防士渡辺公之)の立会を得て適正に行われたものであることが明らかであり,また,関係証拠を精査しても。押収した証拠物についてその場で直ちに領置番号が記入されず,それから8か月以上経過した後になって記入されるなどの不適切な処理がなされているの点はあるものの,捜査官によって証拠の作出やすり替えが行われた形跡は特段認められないから,弁護人の主張は採用できない。

三 ところで,これらの容器に入れられた白色錠剤が何であるかについて,科捜研において鑑定を実施したところ,「マミー」店内において発見されたもののうち,「アニマリンL]の容器に在中していた白色錠剤はプレコール持続性錠であり,蓋に黒点が記入された「つかれず」の容器に在中していた白色錠剤は新ルルA錠であること,また,マジェスタの車内において発見された「つかれず」の容器に在中していた2種類の白色錠剤については,小粒のものが新ルルA錠であり,大粒のものがプレコール持続性錠であることが認められた。

 

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