証人テスト

皆さんは,証人テストというのをご存知でしょうか。

これは,検察官が,自ら裁判所に証人調べを申請した証人に対して,裁判所での本番の証人尋問の前に,事実関係の確認などを行うものです。
検察官に任官しなくても,法曹関係者は,司法修習生時代に,証人テストに立ち会いその現場を見ているのが通常です。

その証人テストについて,平成26年1月5日の朝日新聞朝刊は,宮城県石巻市で平成22年,3人を殺傷したとして死刑判決を受けた元少年の裁判員裁判で,証人テストの際に,検察官が証人に対して証言内容を指示した疑いが浮かんだ旨報道しています。具体的には,その証人は,殺害は「(計画的ではなかったと証言しようとしたが,証人テストで)だめだと検事に言われた」として,裁判所で偽証をしたことを認めたとのことです。その証言が決め手となり,第1審で,元少年は死刑判決を受けたのです。
その証人は,検察官から「結果は重大で遺族も極刑を望んでいる」と説得されて事実と異なる供述をしたとのことです。

この事件では,証人が偽証をすれば被告人が死刑になる可能性が大きいにもかかわらず,検察官は,証人に対して,事実と異なる供述をするよう説得しているのです。
これも,氷山の一角というのは言い過ぎかもしれませんが,国家権力を握っている者が,それを濫用すると,貴い一人の人間の生命が脅かされるという,おそろしい事件です。

数年前に起こった大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件を契機として,検察庁の様々なほころびが発覚してきています。
本庄事件は,検察官に対する国民の信頼が揺るいでいない時期に起訴された事件です。
しかしながら,現実には,検察官の行き過ぎた取り調べが本庄事件を生んだ結果,八木さんを始め数名の関係者が無実の罪で長く身柄を拘束されているのです。本庄事件もほころびの一つである可能性が極めて高いのです。

今回,臓器鑑定がなされることになりましたが,再審開始決定がなされ,一刻も早く無実の人達が解放されることを望みます。
                                       岩城

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